「知られること」の意味 2
買い手たるべき人々に全く知られないままであるとすれば、そのモノに買い手がつくことはないですから、商品としては失格です。
それは物理的には、何らかのモノとして存在しても、商品としては存在しなかったことになります。
モノが物理的に存在するという事実は、作り手が容易に現認しうることで、ヒトーモノ関係の認識枠組があれば事足ります。
たとえば自動車メーカーにとっては文句なしに「自動車は存在する」。
しかし自動車が「商品として」存在するためには、買い手たるべき他者の存在が不可欠の契機をなします。
つまりヒト-モノ関係という認識枠組では不十分で、他者の存在をも組み込んだヒト-モノ-ヒト関係という認識枠組を要するのです。
売り手サイドと買い手サイドとの社会的関係が成立していないところに商品の存在はありません。
商品は社会性を不可欠の存在契機としています。
社会性とは、この場食他者との特定の関係性であり、そしてそのさつな関係性が成立するための必須契機となるのが「知られていること」です。